アツイ恋愛語ります
毎日イヤな雨が続いておりました。私はただボーっとした日々を送ってました。なんか虚しい毎日でした。再び一人きりになってしまったんですから。頭に浮かぶのは彼女の笑顔だけでございます。そんなある日の事。私はバイト先で少々もめ事がありまして、家に帰ってからもイライラして仕方ありませんでした。
ヒョイと家を飛び出し、居酒屋に入る。生ビールを中ジョッキで二杯ほど飲みまして、勢いづいたところでとうとう彼女に電話をしてしまいました。彼女は明るい声で電話に出てくれたのです。見事、志望校にも入る事ができ、今は花の女子大生をエンジョイしてるとのこと。なんだ、連絡してほしかったのに。すかさず私はこれから会えないかと言いました。時間はもう九時を回っています。無理かな、と思いましたが、彼女の返事はOKでした。十時に駅の改札で待ち合わせ、私は彼女が来るのを三十分も前から待っておりました。彼女はやってきました。半年ほど見ないうちにすっかり変わった彼女の姿を、まさに穴の開くほど眺めておりましたら、さすがに「そんなに見ないで」と言われてしまいましたが。でも、あのときの彼女は本当に可愛かった。
それから私たちは近くの居酒屋へ入り、そこで二時間ほど飲み、店を出てから街をフラフラ歩きました。彼女は私の手を握りしめ、私の胸の中へ自分から入ってきたのです。こうして私たちは、一応はカップルとなったんですが、これがなかなか会えないんですね。そのとき私は学校を退学して、もっぱらアルバイトをしておりました。一方、彼女はちょっと遠いキャンパスに通ってましたから、いつでも会えるというわけにはいかなかったんです。夏休みには会えるだろうと思っておりましたら、彼女は家の都合でアメリカへ行って三週間は戻らなかった。そして、秋が訪れたのです。
結果から言いますと、私たちはこの秋に別れてしまったのです。自然消滅というヤツでございます。ですから私が恋人として彼女とつきあったのは、わずか五ヵ月の短い間だったんですね。あれから二十六年もたとうとしているのですが、いまだに彼女の事が忘れられません。彼女も、もうすっかり年をとっているんですがね。